NO,87 田んぼ通信 平成13・12・15

 今年も残すところあと半月となりました。
 今年一年、お米をご愛顧いただきまして本当にありがとうございました。
 今日一日雪降りでした。昨夜から降り出した雪は夕方までちらついています。あたり一面銀世界となりました。十数センチ位積ったでしょう。
 毎年12月中旬になると、いつ雪が降り出してもおかしくありません。外の仕事はできるだけ12月15日を目安に終わらせるように心掛けております。特に来年の育苗につかう床土は乾燥状態をみはからい雪の降る前に必ず作業場に取り込むことが必要です。今年も11日に2tダンプ10台分の床土用の土を運びました。田んぼの耕起作業も年内中の仕事ですが、これは雪が少々降っても出来ますが、この作業も今年はすべて予定通りに終ることができました。あとは正月を待つばかりといいたいのですが、事業関係の支払いをすべて終え、最終決算の状況を見極めて初めて正月を迎えることができるのです。来年までまだまだ忙しい日々が続きそうです。
 今年は全国的に、日本の米は豊作だと報じられていますが、ここ角田はその実感はありません。むしろ平年作、いやそれ以下の作柄だったといえます。
その原因は田んぼごとの肥培管理、それに伴う生育ステージのちがいで生じた、冷夏との遭遇するタイミングの差が大きく作柄に影響したと考えています。
 以前は増収が最大の目標であり、反収は10俵でしたが、現在は食味と安定した作柄を重視した作り方を目指しており、反収も8俵〜9俵を目標とした作り方をしています。しかし、今年はその目標にとどかなかった田んぼもありました。幸い食味の方は皆様に満足していただける米に仕上がったことは安心しています。
 米の食味は品種によっても違いますが、それよりも大切なことは、田んぼの土の状態と肥培管理、特に肥料の種類と量によって食味が大きく変わるのです。同じ品種の米でも産地と生産者によって大きく変わるのはそのためだといえます。
 さて、今年は天候も大きく変動した一年でした。
 しかも、世の中も激動し、益々先が見通せない状況になってきたといえます。その時だからこそ物事の基本に立ち返り、前をしっかり見据えた行動をひとつひとつ積み重ねることが必要だと考えています。
 それでは皆さん、良いお正月をお迎え下さい。来年もよろしくお願いいたします。


NO,86 田んぼ通信 平成13・11・15

 今月5日に蔵王の山々に初冠雪を記録して以来、一気に冬がやってきました。暦のうえでも11月7日は立冬です。
 例年ですと小春日和のポカポカ陽気が数日あるのですが、今年はまだありません。一気に冬到来といった感じです。いつのまにか里の山もすっかり色付きました。農作業は転作田の大豆収穫と大麦の種まき作業が重なり、大変忙しい日が続きました。大豆の収穫はあとわずか残っていますが、大麦の種まき作業は13日で終わりました。今年の大豆の収穫作業は9.5haです。大豆用のコンバインで収穫しますが、稲とちがって大豆が良く乾燥している時期でないと収穫が出来ませんので晴れた日でも午前10時半頃から夕方までしか作業が出来ません。しかも、夏とちがって夕方4時半を過ぎると日が暮れますので作業時間を少しでも長くするため昼食はほとんどとらずに作業を続けます。今年は特に一気に寒さがやってきたせいか毎日の様に霧が発生し午前中は仕事にならない日が続きました。大豆を収穫したその同じ田んぼ(畑)にすぐに大麦を作付けします。大豆や大麦の価格は年々安くなり、反収は稲に比べ3分の1以下ですので農地を有効利用し少しでも収入を確保するため1年に同じ農地に大豆と大麦の2作目を作付けしているのです。しかし、これが大変です。天気が安定しているといいのですが、天気図とにらめっこをしながら農作業を続けます。日中は大豆の収穫。早朝5時頃から(真暗です)大豆の収穫作業が終わった夕方から夜10時頃までトラクターで大麦作付けのために耕うん作業をします。10月末から11月にかけての2週間は本当に忙しい日々が続きました。6月末から7月上旬にかけても同じように大麦を収穫してから大豆の作付けと2つの作業が重なり忙しいのですが、6月は日が長いので早朝から夜まで作業してもそう辛さは感じませんが、今の時期、特に夜9時過ぎまでトラクターで作業をしていると感じるものがあります。大麦の作業も無事終わり、来年にむけての農作業も始まりました。今年は夏の大麦・秋の稲・大豆それぞれの作柄はあまり良い出来とはいえませんでした。夏の天候が大きく影響したといえますが天候のせいにだけはできません。人間の力で天気がコントロールできない現在、しかもスーパーコンピューター時代といわれ高度情報化社会といわれながらも週間天気予報すらもあてにならない社会で生きているのだという現実を直視しようと考えています。明日何がおこってもおかしくない。作物が育つために何が必要なのか。そのために今、何をやるべきなのか。基本的なものを確実につみ重ねることの必要性を痛感しています。
 今秋、大麦作付けにあたり、数年振りに作業場の奥にしまっておいたプラウを取り出し、大豆収穫後の田んぼ(畑)をプラウで深く耕すことから始めました。土の底に眠っていた土をほりおこす作業は気持ちが良く楽しく感じるものです。


NO,84 田んぼ通信 平成13・9・13

21世紀はじめての秋 みちのく角田より秋!
新米をお届けします。

 7月の猛暑がウソのように、8月に入り低温の日が続きました。8月が過 ぎてみれば真夏日は1日だけだったとか。これは大冷害の平成5年以来の記録的な悪天候でした。平成5年とどこが一番違ったかといいますと、最低気温が高かったため、イネの花の花粉がなんとか無事であったことだといえます。花粉が低温でやられますと、イネのはなが咲いても受粉できず、いわゆる障害不稔となり障害型冷害といわれる災害が発生します。8月以来の天候不順にもめげずに今年も実りました。
 収穫できたことに対し、ただひたすら感謝するのみです。
 この地域には昔から、”夏イモ(ジャガイモ)が豊作の時は稲は不作だ” という言い伝えがあります。今年、ジャガイモは大豊作。どこの家でも大きなジャガイモがごろごろ。
 今年の稲の収穫は始まったばかりですが、なんとか平年作になればいいかという具合です。台風も2つもやってきました。幸い角田は昨日の台風15号の被害もほとんどなく、台風一過の晴天の下、稲刈りが一斉に始まりました。
 我が家では、台風15号到来の前日9月10日から始まりました。実際には9月4日だといえます。実は、今年は”新世紀みやぎ国体”と銘打って宮城県で国体が開催されています。9月8日からは夏の国体が行われました。9月3日の夜突然、県庁幹部より電話があり、9月6日までなんとか新米を10kg用意できないかと依頼がありました。よく聞けば、7日から9日にかけ、国体に秋篠宮様が来仙されるという事で、宮様の宿泊するホテルからの依頼ということでした。稲刈りには少し早すぎますし、数量も10kgだけで一瞬迷いましたが、そこは宮城の百姓の心意気!二つ返事でOK。急に稲刈りとなりました。9月5日に米を仕上げ無事に6日、ホテルから取りに来た調整部次長という方にお米を渡すことができました。我が家では5日の夜、早速新米を神棚にお供えし、子供達と収穫に感謝をし手を合わせました。  今年一年の天候、そして思いが凝縮された最新作をお届けします。


NO,82 田んぼ通信 平成13・7・15

 暑中お見舞い申し上げます。
 今朝、4時だというのに気温が25℃。熱帯夜でした。昨夜も暑くるしい夜でした。7月に入りここ数日は梅雨明けをおもわせるような暑い毎日が続いております。今日にも梅雨明け宣言がでそうです。6月下旬よりぐずついた天気が続き、大麦の刈り取り跡の大豆の種まき作業が遅れ心配しましたが、7月に入り天気が回復し無事終ることができました。
 それにしても、ここ数日の暑さは真夏そのもの。暑すぎます。外の農作業は日中はできるだけ避け、早朝と夕方に集中して作業をするようにしております。昼はビールでも飲んで2時すぎまで昼寝をします。そうしないと体がもちません。今年は6月6日にはやばやと梅雨に入り、梅雨らしい日が続きました。しかし、気温からみれば比較的高温の日が多く、東北地方特有の梅雨寒の日々がありませんでした。やませが吹き冷夏を予感させられる日が数日あるのですが今年はほとんどありません。田んぼの稲の生育は田植え以来の天候に恵まれ、きわめて順調です。生育があまりにも良すぎます。「青田を誉める下作」になりかねません。
 稲づくりの最終目標は、一粒でも多くのおいしい米を収穫することであり稲ワラを収穫することが目的ではありません。多くの肥料をほどこせば体は簡単に大きくできます。しかし、表面上の目に見える体も大切ですが、より良い米を沢山収穫するためには体をささえている地下にある根をいかに健全に維持するということがきわめて重要になります。地上部の稲体と地下部の根のバランスをいかに良く保つかが米づくりで一番難しいことです。
 田んぼの稲の体には、稲の穂の赤ちゃんが1.5cmから2cmに育っています。これからが、稲の一生の中で一番低温に弱い時期を向えますが、今年はその心配はいりません。ただ、あまりにも熱帯夜が続くようでは、米の品質が心配になります。日中は暑くてもかまいませんが夜はできるだけ気温が下がることが必要です。
 稲も夏バテするような酷暑は困りものです。  このような天気が続けば今月25日頃には穂が顔を出すでしょう。あとは台風が来ないことを願うだけです。稲の根が健全に維持できるように、こまめな水管理につとめたいと思います。


NO,81 田んぼ通信 平成13・6・14

 今日は朝から雨降りです。
 東北地方は、6月6日に梅雨入りしました。東北地方南部に位置する角田市は例年ですと、梅雨の前半は比較的晴れ間が多く、6月下旬から7月上旬にかけて本格的な梅雨となることが普通です。それが今年は梅雨入りと同時に本格的な梅雨空になっています。今、季節は麦秋。転作田の大麦も収穫時を迎えています。
 日増しに緑を濃くしている田んぼの稲。黄金色に輝く麦畑。頂に雪を残す蔵王。梅雨の晴れ間に描きだされる角田の風景はしばし仕事の手を休めたくなる程すばらしいものです。4月21日の凍害によって大きな被害がでた 転作田の大麦もなんとか収穫にこぎつけました。今麦刈りの最中です。しかし、収穫量は凍害の影響もあって満足のいくものではありません。しかも、収穫を終え品質検査を無事に終わるまでは安心できません。梅雨入りと同時に本格的な梅雨模様となった今年は毎日が天気予報を気にしての農作業が続いています。特に、収穫時期を迎えた麦は、ひと雨ごとに品質が急激に落ちてきます。昨日、おとといの晴れ間をみてコンバインで刈り取りを始めましたが、凍害の影響で生育にバラツキが大きく、刈り取り時期の判断が大変むずかしい状況です。あと一週間程待ってから刈り取りを始めたいのですが、天候とのかねあいで収穫を始めたところです。
 今年の麦の作付け面積は8haです。
 一日3ha程刈り取っても3日間かかります。
 あと一日はたっぷりかかりますので、今日降り出した雨が早くやむことを祈っています。
 大麦を刈り取った同じ圃場にすぐ大豆を蒔き付けます。この作業も天気予報とにらめっこの作業です。とにもかくにも、お天道様の下で仕事をしている百姓の宿命です。お天道様のご機嫌をうかがいながら仕事をする時は一気に進めるということが今の時期で一番の農作業のポイントだといえます。 田んぼでは、5月初めに植えられた稲は、5月以来天候に恵まれ極めて順調に生育しています。
 今が茎を盛んに増やす「分けつ」という時期をむかえ、日増しに茎の数が増えています。茎の数が多くなりすぎても稲にとってはよくありません。無駄な分けつ(茎)をいかに出さないで、茎の数を確保するかということが、稲作をするうえでの大きなポイントです。それをコントロールするのが肥料と水であり特に水管理が大切です。
 田んぼの管理、転作田の大麦の収穫、大豆の蒔き付け等、一気に農作業が続きます。昔は、田植え時期が一番忙しい時でしたが、今が一年中で一番忙しい時期になったともいえます。天気予報とにらめっこしながらの農作業がここしばらくは続きます。


NO,80 田んぼ通信 平成13・5・10

 風薫る五月。
 ここ数日、初夏を思わせる様なすがすがしい気候が続いています。
 昨日は最高気温が28℃にもなりました。
 角田の田んぼは、田植えも無事に終わり、このところおだやかな天候にも恵まれ順調に活着しています。4月23日に田んぼに水が入り、代かき作業(田んぼに水を入れ、トラクターで田植えが出来るように田んぼを平らに土を均す作業)をはじめてから半月。この間、朝4時から夜7時頃まで気のぬけない連続作業が続きました。ここにきて、無事田植えを終えた苗が当新しい真白な新根を土の中に勢いよく伸ばし、新しい葉が活動を始めたのを確認して今年の田植えの完了を実感します。ホッとしています。
 それにしても今年の田植えは順調でした。苗枯れした田んぼもほとんどなく5月1日〜3日にかけて低温注意報が出る寒い日がありましたが、それを除けば、雨も降らずなによりも風がほとんど吹かなかったのが良かったといえます。
 田植え作業の悪い条件は、低温と風の強い日だといえます。特に強風は最悪です。今年は低温の日は数日あったものの風の日はありませんでした。
 今年の田植えを終えて改めて感じたことは風の日は無理をせず田植えを休む!(これがなかなか出来ません)
 これから秋の収穫まで気のぬけない管理が続きます。特に5月いっぱいは田んぼの水管理をこまめに行います。4月の降水量は仙台で数ミリでした。 観測史上最も少なかったといわれています。角田の田んぼは阿武隈川からポンプで汲み上げていますので、今のところは大丈夫です。5月9日〜10日に多少の雨が降りましたが、それだけではまだまだ足りません。特に畑の作物に影響が出ています。前回の通信の中で晩霜のことを書きましたが、4月21日に晩霜がやってきました。それも最低気温がマイナス4℃にもなりました。霜害というよりも凍害が発生しました。果樹園に大きな被害がでました。特にナシが開花最盛期だったため大きな被害がでたようです。我家では転作の大麦に大きな被害がでました。凍害と干ばつの影響がでて大麦の生育は大きく遅れています。今年の収穫が不安になっています。
 自然相手の農業は何がおこるかわかりません。今できることを毎日、確実にやり続けるしかありません。
 秋の収穫を夢みて!