NO,341  田んぼ通信 令和5・1・15

  明けましておめでとうございます。今年も 宜しくお願い致します。
昨年4月社長を交代し、7月から土地改良区の常勤理事長に就任しました。これまでの通信でもお伝えしましたが、稲作経営は、すべて次男の新社長に任せました。 経営に関しては、殆んど口出ししません(口を出すと文句をいわれ、取り合ってもらえないのが実情ですが)。 それにしても、なんとも歯がゆい時間を過ごしてきました。 それでも、農業経営に関しては、従業員の皆様のご理解とご協力をいただき無事に新年を迎えることができました。 取引先の皆様や個別のお客様には、あらためてご挨拶の機会もなくご不便やご迷惑をおかけしましたことと存じます。お詫び申し申しあげますとともに、格段のご配慮をいただき心から感謝いたします。 今年も相変わらずご指導とご協力をお願いいたします。
 今年は、正月4日から仕事はじめです。我が家の仕事始めは11日の「農のはじめ」を過ぎてから、本格的な農作業をはじめることとしてきました。 今年は正月の最中の4日から仕事がはじまりました。正月気分を味わう暇もありません。土地改良区の常勤役員になったことから公務員と同じカレンダー通りの勤めが始まりました。 ごく普通の人生であれば、人生70歳を一区切りとして、終活を考える時期です。残りの人生は、誰にも遠慮することなく自分で好きな時間を過ごしたいものだとはよく聞く話です。70歳をまえにして、人生はじめて自営業からサラリーマン生活です。  勤め仕事が始まったものの1月11日は、我が家の仕事始め。 今年は、勤めがありますので、夜が明けるのを待っていつものように米俵に飾ってあったオガン松を下ろし、田んぼに持っていき、簡単な儀式を行いこの一年の農作業の安全と豊作を祈願しました。 新年を迎え、日が暮れる時間が夕方5時を過ぎても明るくなったものの、夜明けの時間がさほど早まらず朝7時過ぎてから朝日を拝みます。夜明けるのが待ち遠しい時期でもあります。 コメ作りを始めて50年になります。毎年、地球温暖化を体で感じながら「農のはじめ」をしてきましたが、今年ほどの暖かさを経験したことはありません。昨年末から雪らしい雪が降らず、しかも気温も異常なほど高く、これほどの暖かな正月は初めてです。北向きの路地や日陰には、今の時期は多少なりとも雪があり土は凍みているものです。今年は何処にも雪はなく凍みてもいないのです。 通勤するにはたいへん楽ですが、今年の夏のお天気がとても心配になります。お天気様は確実におかしくなっています。 また、難しいことは分かりませんが、物を創り出す仕事、農業のみならず、あらゆる分野で汗をかき時間をかけて身につけてきた技が消えかけています。   ところで、土地改良区は、農地を持っている農家が組合員です。5,000名の組合員がご主人様で、組合員の信任を得て組合事業運営を任されています。今回、その責任者として云わば雇われ社長でありサラリーマンになったといえます。サラリーマンの定義は、いろいろあるようです。我が家はこれまで、農業以外の仕事で定期的に現金収入を得た者は、誰ひとりいませんでした。常勤役員として初めて勤めた私にとって、サラリーマン生活が如何なるものか実感する日々です。 土地改良区の仕事に関しては、役員も経験していましたが、いざ責任者として内部にはいると初めての経験ばかりです。関係機関との調整などは、ある程度は心得ていましたが、職員の皆様が日々の仕事に前向きに取り組める環境を創ることに関しては、初めての経験であり戸惑う事もあります。 これまで、お天道様の下で、全てが自分の意思で、 時間も自分で自由に使い、仕事とはいえ好きなコメ作りにこれまでの人生の全てを使ってきた生活です。しかも、 仕事の結果に対しては、全ては自分の責任。 愚痴はいっても、自分に返って来るだけ。誰に遠慮することなく言うことは言う。その責任は、自分でとる。 その覚悟で生きてきた70年です。  ある程度は予想していたものの、人様の気持ちに寄り添い目標を一つにして仕事を進めることの難しさを 痛感させられる日々です。組合員の暮らしを支えることが 私に与えられた最大の役目です。しかし、職員一人一人にも家族があり、それぞれの暮らしを支えるため働いてもらっています。職員の暮らしを支えるためにも改良区の組織を守る責任もあるのだと思う頃です。いま農業情勢は、極めて厳しい状況にあります。同じ農業団体のJAや農業共済組合が時代の流れの中で大規模な組織改編や厳しい事業展開を余儀されている現状を見るにつけ、世の中の動きや環境の変化に対応できなければどんな組織も存続はありえない。改良区は、大きな役割を担っているにもかかわらず、ここ10年来その存在すら分からなくなっています。土地改良区は極めて閉鎖的な組織として存在し、世の中の動きに極めて鈍感な組織になっています。 これでは、組織の存在すら危ぶまれます。先ずは、職員の自信と誇りを取り戻すことからはじめます。今年は3年前の大水害を踏まえ、国営による大規模な地域排水事業プロジェクトが検討されそれが実現するか正念場の年を迎えます。大事な年になります。