NO,354  田んぼ通信 令和6・2・15

2月になり日差しが明るくなりました。< 夕方5時を過ぎても、明るく日が長くなったことを実感します。
それにしても、昨年末いらい温かな日が続いています。数日前に久しぶりに雪が降り、10センチほど積もったものの雪は直ぐに消えてしましました。  きょうの最高気温は、19度。最低気温も8度。4月下旬の気温。まだ、2月中旬だというのに。 今の時期に、これほどの暖かさは記憶にないです。
地球温暖化から地球沸騰化へ気候が移ったと言われていますが、お天気様は気まぐれです。このまま一気に春へとはいかないでしょう。何が起こるか分かりません。油断大敵。 この陽気で全ての作物が芽生え始めました。
これから心配されることは、春先の凍霜害です。自然相手の農業です。 常に自然災害と隣り合わせ。その中でも、凍霜害は澄み切った夜明け前に音もたてず、静にやって来ます。時には、想像を超える大きな被害をもたらします。それが凍霜害の恐ろしさです。 農業で生きていくには、想定外では済まされません。常に最悪の事態を想定して仕事をすることが求められます。
 この暖かさで蔵王の山々も極端な雪不足。 先日 車で蔵王の中腹を横断してきましたが、路肩もほとんど雪がなく2月とは思えないほど雪が少ない景色が広がっていました。これまで経験したことがないほどの暖かな冬です。  雪が少なく暖かな日が続くと暮らすのには楽なのですが、これほどまでに雪が少ないと夏の水不足が心配になります。昨年は、猛暑と日照り続きで田んぼの用水確保に大変苦労しましたが、ことしも夏の天気を心配する声が聞かれるようになりました。
さて 今月初めに、恒例の作占い。市内の諏訪神社の筒がゆ目録をいただいてきました。事務所の分も授かってきましたので朝礼の時に職員にも、筒がゆ目録を基に今年の作柄を 自己流の解説を紹介しまた。
そのなかで、お札をコピーして張っている人を見かけるが、そんなセコイことをしてはダメ。神様に対し罰があたる。  それでは、肝心の今年の作占いは、どうでたか。
総じて八十四分で全体的には決して悪い作柄ではない。昨年は、むぎ、豆は占い通り最悪だったが今年はほどほどの作柄予想。それでは肝心のコメに関しては、 早稲が7分で中生が6分・晩稲が8分。中生が6分と作柄が極端に悪いとでている。これまでの経験からすると 夏の天気とくに7月頃に低温等天気が悪いことが予想される。晩稲の品種が今年は良いようだ。また、日・風は7分で例年通りが 雨は8分で今年は多いかもしれない。(自己流の解釈で気休め程度と思ってください。但し日本気象協会などの長期予報よりは私は信頼しています。毎年の栽培管理の目安としておおきな心の拠り所としています) 昨年から職員には紹介していますが、多少は興味をもって聞いてくれたようです。話の最後に、昨今の風潮で科学的な根拠がない事は説得力がないということで、昔からの経験を基にした話や、人間の頭で理解できないことを信じようとしない時代になったが、このこと自体が人間の驕りだと思っている。自然の動きや人の頭で理解できないことを否定する生き方、考え方は個人的には疑問に思っている。特に土地改良区は、自然と向き合っているお百姓さん相手の仕事なので たまには暮らしの中で、自然の景色などに感動したときには、お天道様や青空のもとできれいな山々に対し素直に手を合わすなども悪くないのでは・・・・・。今日の話は、他愛のない話として受け流して結構。今週も仕事をよろしく・・・。ということで朝礼は終わりに。
 ところで、2月9日付の河北新報に「農家に増産指示、罰金も。 食糧危機時 対策法案判明」という見出しの記事が掲載されました。 いよいよ食料危機を真剣に考える時期になってきたか? という思いを強くしました。  現在 国では1999年7月施行された食料・農業・農村基本法改正が議論されています。それと合わせて食料供給困難事態対策法案なるものも検討され、その中でコメ・小麦・大豆等が不足する食糧危機時に政府が供給目標設定。農家に増産計画の届け出を指示し、従わなければ20万円の罰金を科す。というのです。 それにしても罰金まで用意するとは、随分念入りです。  日本のお米は、1942年2月に制定された食糧管理制度(食管法)の下に、つい最近まで(食管制度が1995年に廃止。国による減反政策も2018年に廃止)国家管理されてきました。  1970年から2017年まで、およそ50年近くにわたり実施された(私のコメ作り人生そのもの)「減反政策」が2018年に廃止された時の高揚感は今でも覚えています。 「ああこれからは、国などに気兼ねなく自分の意志と責任で思う存分自由にコメがくれる!」と同時に その政策に関する省令を見て唖然としたものです。 条文の最後に「不測の事態になれば、国が生産を管理することができる・・・」という主旨の文言があります。 なんだ!これは。 これからは、コメの世界もビジネスのなるというものの、これでは所詮コメの世界で一攫千金はありえない(就農当時からビジネスで米作りをする気はありませんが)。そうであれば、せめて国は農業者には、家族が生活できる暮らしを保証すべきだ。(毎年お正月にお餅を家族全員で食べられる暮らしを保証すべきだ)との思いを強くしたことを思い出します。 国は、チョンマゲ時代からから百姓はどうにでもなると考えている。冗談ではない!お百姓さんも、普通の頭を持った人間ですもの。必死に日々の暮らしを守るため田んぼに通っているんです。 国民すべてが投資家になろうとする今の時代です。 食糧危機を真面目に考えることは、多少はマトモナ国民もいるのだと安心?しましたが。


NO,353  田んぼ通信 令和6・1・15

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。
 正月元日、夕方。携帯電話が緊急地震を伝える警報音が一斉に鳴り出しました。テレビでも緊急地震予報と共に津波に対する緊急避難を呼びかけるアナウンサーの必死な声が聞こえます。 石川県能登半島を震源とする震度7を超える大きな地震が発生。 更に翌日1月2日。羽田空港で日航機と 能登半島の地震被害地に支援物資を運ぶために離陸しようとしていた海上自衛隊の航空機と衝突という前代未聞の事故が発生。事故現場からのライブ映像には大きな衝撃を受けました。
今回の地震災害や事後でお亡くなりなられた方々のご冥福と被害を受けました皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。 一年で最も寒さが厳しい時期でもあります。2013年の東日本大震災を経験した一人として、長期間の停電や断水による日々の苦労を思い出すにつけ心が痛みます。
また今年の正月は、年末から年始にかけ これまでに経験したこともないほど暖かく穏やかな新年を迎えた矢先の大きな災害と事故。 新年早々 立て続けの大災害で迎えた令和6年です。 お天気様も異常と思えるほどの暖かさで今年の正月も過ぎようとしています。  西に連なる蔵王の山々のスキー場では雪が少なくゲレンデは地肌が見える状態で営業休止という報道があります。また、昨年秋からまとまった雨も降らず、改良区管内の山間部では井戸水が枯れ始まっていると話も聞こえるようになりました。 しかも国内の政治経済界も唖然とする事件が報道されています。 ここ数年、激動の時代を生きているという 感覚がありました。ある程度は予想していたものの、あらゆる分野でこれまで先送りしてきた問題が、一気に表に出てきたといえます。 激動の時代を実感させられる正月となりました。
 改良区の仕事始めは役所と同じ、正月4日。 改良区管内の最も由緒ある神社に新年のご祈祷をお願いし、役員の代表と全職員が揃い「今年の豊作と改良区の安泰」を祈願しました。 わが家の仕事始めは、正月11日。 「農のはじめ」です。一昨年に社長を交代してからも仕事始めは、変わりません。 「農のはじめ」の早朝の儀式。 作業場に飾っていたオガン松を日の出前に田んぼに持っていき田んぼに飾り豊作を祈願しました。 新年に入り日の出は早くなったものの、6時前はまだ暗く、6時半を過ぎてようやく明るくなります。7時過ぎに東の阿武隈山系から日が昇ってきます。昔は、暗いうちに仕事始めとしてワラ仕事をして田んぼに向かったといいます。 今年は、昔を思い縄をなってから田んぼに向かいました。  事務所勤務となった今、勤めがありますので早朝の儀式だけは私の仕事として残したいと考えています。  先ずは、暖かで穏やかな「農のはじめ」でした。
 コロナ禍の4年間余り。人の集まりが極端に制限され、これまで当たり前に続いてきた正月行事も中止が相次ぎました。元日恒例の区主催の新年会は、今年は数年ぶりに復活されると思っていましたが、役員も世代交代 したこともあり今年も中止となりました。当たり前に延々と続いてきた部落の行事もコロナ禍を契機に見直される機会になるようです。 集落の古老や子供たちが年々少なくなり、またここ数年のコメ作りを取り巻く急激な環境の変化。これまで村の様々な儀式やイベント等は、生きる伸びるための知恵として日々の暮らしの中から必然的に生まれてきたと言えます。コロナ禍を経験することで、暮らしに結びつかない行事は、時代と共に淘汰されることは当然のことです。しかも、人との交わりを設けることは、面倒であり更にイベントをすることはたいへんなエネルギーが必要です。参加する人にとって日々の暮らしや経済活動になんらかの思いを共有することがなければ継続できないのは仕方ないことです。しかし長い年月続いてきた行事は、それなりの存在意義があったといえます。コロナ禍で人と人との交流の場が極端に少なくなった今だからこそ身近な人達と集まる場を設けることが益々大切になります。
 ところで、改良区管内であらたな農地の基盤整備事業が始まりました。 一枚の田んぼが2ヘクタールという県内でも最先端の圃場整備です。最近その工事現場に大きな看板が立ちました。「この圃場整備工事は、週休2日で工事をおこなっています」  これまでは、「土方仕事を殺すのに刃物はいらぬ。雨の数日続けばいい」と いわれたこともあります。農業と同じように、土木仕事もお天気相手。常にお天気を見定め仕事をしていたものです。 それが、土木業界も週休二日を導入する時代になったのかと思うと、時代が大きく変わったことを感じます。 今年は2024年。 24年問題は、数年前から生産現場や流通問題で大変なことになると囁かれていました。いよいよ今年は、働き方改革が現実のものになります。これに対応できなければ、これから生き残れません。農業界もこの流れには無関心ではいられません。農業も日曜日が休み等と驚いていてはいられません。農業界も確実に休日を導入することになるでしょう。 大変な困難が予想されます。しかし、それでも従来の考え方では若者が集まりません。生産の在り方を見直すなどで対応を考えなければ生き残れない時代がやってきました。 確かに農業生産において、単なる効率化だけを追い求めることに大きな疑問があります。 少なくとも法人経営をめざす農業経営体は、世の中の動きを無視できなくなります。 今年は、農業の在り方や働くことの意義をあらためて問われる年になりそうです。